この記事は2018年1月25日に作成されたものです
高度経済成長期まっただなかの昭和39年にまちが開かれた神戸市垂水区の多聞台団地は、豊かな自然環境と歴史的資源に恵まれ、安心して暮らすことができる住宅団地として成熟してきました。しかしながら、半世紀以上が経過した今日、少子高齢化と住宅・施設の老朽化が進む中、人口減少に伴う地域活力の低下、コミュニティやセンター機能の衰退などが課題となっています。このため、多聞台を快適で魅力あるまちに再生することを目的に、平成26年7月神戸市、地域住民、UR(都市再生機構)、有識者から構成される「多聞台団地再生協議会」が発足しました。
再生協議会では住民の意見を聴取しながら協議を重ね、平成27年7月に地域再生法に基づく多聞台団地再生計画(素案)を策定しました。再生計画(素案)では、①若年・子育て世帯の定住促進、②生活関連機能の向上と高齢層の生活支援機能の充実、③地区内外の人的交流の促進とコミュニティの活性化の3つの目標を掲げ、ハード・ソフト両面から具体化に向けた検討に入りました。
ソフト面では、多聞台団地の再生・活性化を担う中核的組織として、住民が主体となってまちづくりを効率的かつ永続的に推進することを目的とした「NPO法人ワトワーズ多聞台」が平成29年9月に設立されました。ハード面では、まちの中心に位置する団地センター周辺を魅力ある空間とするため、市住跡地(西)を地域に開かれた高齢者福祉交流ゾーン、市住跡地(東)を子育て世帯向けの住宅を配置した一般住宅ゾーン、団地センター・バスロータリー・中央公園一帯をまちの中心にふさわしい利便性と一体感のある交流ゾーンとしてリニューアルする方向で検討されています。これまでの多聞台団地の再生・活性化の歩みについては、再生協議会から「まち便り」として逐次公表されていますのでご覧ください。