高度経済成長期まっただ中の昭和39年にまちが開かれた神戸市垂水区の多聞台団地は、豊かな自然環境と歴史的資源に恵まれ、住民が安心して暮らすことができる住宅団地として成熟してきました。
しかしながら、開発から50 年以上が経過し、住民の高齢化や住宅・施設の老朽化が進み、コミュニティを取り巻く状況が大きく変化した今日、少子高齢化に伴う地域活力の低下や生活支援機能の衰退などが喫緊の課題となっています。
そのため神戸市は、計画的開発団地のリノベーション事業のモデル団地として多聞台団地の再生・活性化を図ることを目的に、平成26年7月に住民、行政、外部有識者及び独立行政法人都市再生機構からなる「多聞台団地再生協議会」を組織し、住民・有識者とともに平成27年2月に地域再生法に基づく「多聞台団地地域再生計画(素案)」を策定しました。この素案では、①若年・子育て世帯の定住促進、②生活関連機能の向上と高齢者の生活支援機能の充実、③地区内外の人的交流の促進とコミュニティの活性化を主要な目標とし、住民が主導的にまちづくりに関する事業を展開することとしています。
これまで多聞台団地のまちづくりは、多聞台地域福祉センターを活動拠点とする「多聞台ふれあいのまちづくり協議会」が中心的な役割を担ってきましたが、同協議会は地域福祉センターの管理運営を神戸市から委託された指定管理者であるため、その活動には自ずと制約があります。今後、多聞台団地の再生・活性化をより自由な発想で効率よく展開していくためには、広範な住民の参画と行政や関連団体との協働をより一層深めていくことが不可欠であることから、社会的にも認められた公的な組織である特定非営利活動法人を設立することとしました。この法人は、多聞台団地の再生・活性化を担う中核的組織として、まちづくりを効率的かつ永続的に推進し、多聞台団地の再生・活性化に寄与することを設立の趣旨とします。
平成29 年7 月23 日
特定非営利活動法人 ワトワーズ多聞台